完全規格の「アイスマイル」と完全自由設計の「アイスマート」の中間に位置づくのが、一条工務店の「アイスマイルプラス」です。
本記事では、アイスマイルプラスの総額を「坪単価」「付帯費用」「外構・諸費用」まで数字で分解し、アイスマイルやアイスマートと横並び比較します。
実勢は地域や敷地条件で上下するため、ここでは比較条件を固定してブレを可視化します。
一条工務店でアイスマイルプラスの総額をアイスマイルやアイスマートと自然な形で比較する
まずは比較の土台をそろえます。
総額は「本体=坪単価×延床」だけではなく、付帯工事や外構、諸費用、選択オプションが積み上がって最終値になります。
この段階で前提をそろえないと、商品ごとのコスパ判断が曖昧になってしまいます。
そこで本記事では、延床35坪と40坪の二つのモデルケースを設定し、同一の内訳ルールで見積感を並べます。
比較条件の内訳
数字の精度を上げるには、見積の箱を同じにするのが近道です。
ここでは「本体」「付帯工事」「外構」「諸費用」を共通フレームにし、最後にオプション枠を別掲して感度を見ます。
割合は実務でよく用いられるレンジを参考にしつつ、全商品で共通の係数を当てています。
商品差は主に坪単価と必要オプション量で表れます。
| 費目 | 定義 | 前提 | メモ |
|---|---|---|---|
| 本体 | 坪単価×延床 | 商品別の想定単価 | 仕様差が反映 |
| 付帯工事 | 給排水・仮設・申請など | 本体×15% | 地盤改良は別途感度 |
| 外構 | 駐車場・アプローチ等 | 本体×5% | 敷地で上下 |
| 諸費用 | 登記・保険・引込等 | 本体×3% | 自治体差あり |
| オプション | 標準外の加算 | 後述で別枠 | 商品別に差 |
前提と注意
本記事の単価は比較用の想定値です。
実際の金額は地域加算や敷地条件、キャンペーン有無で変わります。
また、太陽光や蓄電池など運用コストに効く項目は「初期費用だけで判断しない」姿勢も重要です。
総額の見方を統一することで、商品の強みと弱みがクリアに見えてきます。
問い合わせ時の確認ポイント
早期にブレ幅を絞るには、初回の打合せで以下を同時に確認するのが効率的です。
同じ質問票で各商品を横並びにすると、費目の抜け漏れが減り、商談のスピードも上がります。
- 延床想定(35坪・40坪など)と希望の部屋数。
- 標準仕様の範囲と必須オプションの有無。
- 付帯工事の前提(電柱・上下水・引込距離)。
- 地盤改良の想定(表層改良・柱状改良の確率)。
- 外構の範囲(駐車台数・門柱・フェンス)。
商品ポジションの理解
アイスマイルは完全規格で打合せが短期、価格の見通しが立てやすいのが強みです。
アイスマートは完全自由設計で間取りや仕様の選択肢が広く、こだわりの反映度が高いのが魅力です。
アイスマイルプラスは両者の中間で、規格ベースの効率を活かしつつ、要点の自由度を増やして「ちょうど良い」を狙う設計です。
このポジション差が、坪単価とオプション量、つまり総額の差として現れます。
本記事の結論イメージ
後述のシミュレーションに先回りして要点を示すと、延床35〜40坪帯では「本体差+オプション差」で二桁万円〜数百万円の開きが出ます。
中間のアイスマイルプラスは、自由度の増加に対する追加支出が小さく収まりやすいのが特徴です。
一方で自由設計の裁量を大きく取りたい場合は、アイスマートの追加投資が効率的になるケースもあります。
鍵は「面積を固定し、費目をそろえる」ことです。
坪単価のレンジと読み解き方
ここでは比較に使う想定坪単価レンジを提示し、その読み方を整理します。
レンジはあくまで比較用の目安であり、地域・時期・仕様で上下しますが、相対差の把握には十分機能します。
中間プランの立ち位置が単価にどう現れるかを数値で確認しましょう。
想定坪単価レンジ
以下は比較のための想定レンジです。
レンジの幅は、地域加算や仕様選択、キャンペーン等の揺れ幅を含んでいます。
平均値は後段のシミュレーションにそのまま用います。
| 商品 | 坪単価レンジ(万円/坪) | 比較の目安 | 平均値(万円/坪) |
|---|---|---|---|
| アイスマイル | 65〜75 | ベースライン | 70 |
| アイスマイルプラス | 70〜82 | 中間 | 76 |
| アイスマート | 85〜100 | 自由設計 | 92 |
レンジの読み方
坪単価レンジは「標準仕様の幅」と「地域差」の二つの要因で広がります。
中間のアイスマイルプラスは、規格ベースの効率を保ちつつ仕様選択肢が増えるため、下限は規格型に近く、上限は自由設計寄りになります。
実務では、平均値を基準に本体を算出し、付帯・外構・諸費用を係数で乗せると、検討初期でも現実的な総額が掴めます。
この「平均からの距離」を意識するだけで、見積の妥当性チェックが容易になります。
単価差が生まれる理由
単価差は「標準装備の厚み」「仕様選択の自由度」「設計・施工プロセスの効率化度合い」の三点で説明できます。
規格型はプランの固定化により工程が平準化され、単価を抑えやすい構造です。
自由設計は個別対応の積み上げが増えるため、打合せと施工の工数が単価に反映されます。
アイスマイルプラスはその中間で、コア部分は規格化しつつ要点のカスタムを許容するため、単価と満足度のバランスが取りやすいのです。
坪単価での落とし穴
坪単価だけを追うと、付帯工事や外構の伸びで逆転することがあります。
また、標準に含まれる設備が多い商品は、同じ坪単価でも「後から追加する金額」が少なくなりがちです。
したがって、坪単価は「総額の物差しの一つ」に過ぎないと捉え、必ず内訳全体で判断しましょう。
- 同じ延床で横並び比較を徹底する。
- 付帯・外構・諸費用の係数を固定する。
- 標準装備の厚みを棚卸しする。
- オプションの必須・任意を切り分ける。
- 運用コストも併記して判断する。
中間プランの読みどころ
アイスマイルプラスは、単価差に対して得られる自由度の伸びが大きい局面で真価を発揮します。
特に「間取りの微調整」「収納計画」「水回りのセレクト」など、生活体験を左右する要素で効きます。
以降の総額シミュレーションで、単価差が実際の総額とどんな関係になるかを確認しましょう。
数字で見れば、判断の納得度が高まります。
仕様と自由度の違いを数字で捉える
仕様の厚みと自由度は、初期費用と満足度に直結します。
ここでは、標準とオプションの切り分けを棚卸しし、どこにお金が乗りやすいのかを可視化します。
最終的には「自分のこだわりが、どの商品で最小コストに落ちるか」を探します。
標準仕様の比較
標準装備が厚いほど、オプション追加額は抑えられます。
逆に標準が薄い場合は、後から必要な装備を積むことで総額が増えます。
下表は代表的な項目の「標準かオプションか」の傾向を、比較の観点で整理したものです。
| 項目 | アイスマイル | アイスマイルプラス | アイスマート |
|---|---|---|---|
| 間取り調整 | 限定 | 中程度 | 自由 |
| 内装選択肢 | 限定 | 拡張 | 自由 |
| 収納計画 | 定型 | 拡張 | 自由 |
| 水回り仕様 | 定型 | 選択幅拡大 | 自由 |
| 外観バリエ | 限定 | 拡張 | 自由 |
自由度の効きどころ
自由度は「コストを増やすため」ではなく「無駄なコストを削るため」に活用できます。
例えば、収納を必要な場所に必要なだけ配置できれば、後付け家具の購入や生活動線のムダが減ります。
水回り動線を最短化できれば、家事効率が上がり、将来的な改修リスクも下がります。
アイスマイルプラスは、こうした生活の核心に影響する箇所で自由度を付与しつつ、構造や主要設備は規格化で効率を保つバランス型です。
見落としやすい加算
標準・オプションの棚卸しが終わったら、次は「見落としやすい加算」を洗い出します。
これらは契約後に発覚しやすく、満足度と予算を同時に削る要因です。
- 電気配線の増設(EV・IH・書斎のコンセント追加)。
- 窓のガラス種や網戸、シャッターの仕様変更。
- 外部給排水の延長や宅内引込距離の増。
- 雨水処理・擁壁・盛土など土工の追加。
- 造作収納・ニッチ・下がり天井など内装演出。
総額シミュレーションでコスパを検証
ここからは延床35坪と40坪で総額試算を行い、商品ごとの差を可視化します。
本体は前章の平均坪単価を採用し、付帯15%・外構5%・諸費3%を係数で加算します。
オプションは別枠で感度を見るため、表では「0円」から「+100万円」の二段で確認します。
35坪の総額試算
35坪帯はファミリー標準ゾーンで、差が生活体験と予算にダイレクトに効きます。
下表は係数計算の結果です。
オプションを最小化できるほど、規格型の有利が出ますが、自由度を要所に使うなら中間プランの効率が際立ちます。
| 商品 | 本体(万円) | 付帯・外構・諸費(万円) | 小計(万円) | オプション0円時(万円) | オプション+100万円時(万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| アイスマイル | 2450 | 564 | 3014 | 3014 | 3114 |
| アイスマイルプラス | 2660 | 612 | 3272 | 3272 | 3372 |
| アイスマート | 3220 | 741 | 3961 | 3961 | 4061 |
40坪の総額試算
同じ係数で40坪に拡張すると、差額はさらに明瞭になります。
面積が増えると坪単価差がそのまま伸びるため、商品選択の影響は二乗的に感じられるはずです(体感として)。
表ではオプション感度も併記し、面積拡大時の予算余力を確認します。
| 商品 | 本体(万円) | 付帯・外構・諸費(万円) | 小計(万円) | オプション0円時(万円) | オプション+100万円時(万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| アイスマイル | 2800 | 644 | 3444 | 3444 | 3544 |
| アイスマイルプラス | 3040 | 699 | 3739 | 3739 | 3839 |
| アイスマート | 3680 | 846 | 4526 | 4526 | 4626 |
差額の解釈
35坪では、アイスマイルとアイスマイルプラスの小計差は約258万円、アイスマイルプラスとアイスマートの小計差は約689万円です。
40坪では、それぞれ約295万円と約787万円に拡大します。
この差額で「間取りの自由度」「収納・動線の最適化」「内外装の選択肢」がどれだけ改善するかが判断軸です。
- 差額が300万円未満なら、生活の要点に効く自由度への投資は検討余地が大きい。
- 差額が500〜800万円規模なら、自由設計の価値を最大化できる計画(こだわりの明確化)が必須。
- 差額がオプション増で吸収されるなら、標準装備の厚い商品を優先。
中間プランのコスパを最大化する動き方
中間のアイスマイルプラスを選ぶ価値は、限られた予算で自由度を要所に配分できる点にあります。
ただし配分を誤ると、規格の利点も自由設計の魅力も取り逃します。
ここでは、打合せの順序と費目の固定化で、コスパを底上げする実務的な手順を示します。
決める順序
費用対効果を最大化するには「面積→動線→収納→水回り→意匠」の順で決めるのが効率的です。
先に面積と動線を固めると、後工程での変更が減り、オプションの暴走も抑えられます。
この順序は規格・中間・自由設計のいずれでも有効で、迷いがちな局面をショートカットできます。
- 延床と部屋数を先決。
- 家事動線と回遊性を優先。
- 適量の収納を確保。
- 水回りの型と位置を早期確定。
- 最後に意匠と素材を選ぶ。
費目固定のメリット
費目を固定して横並び比較すると、見積の妥当性チェックが一気に楽になります。
特に付帯工事と外構は、説明の仕方で数字が揺れがちです。
係数で固定し、差が出た部分だけ理由を聞くのが、時短と納得の両立に有効です。
| 費目 | 固定ルール | 差が出た時の確認 |
|---|---|---|
| 付帯工事 | 本体×15% | 引込距離・仮設・申請内訳 |
| 外構 | 本体×5% | 駐車台数・舗装面積 |
| 諸費用 | 本体×3% | 登記・保険・手数料 |
オプション管理
オプションは「価値が高く、後から替えにくいもの」を優先します。
一方でインテリア性の高い項目は、後からの入替やDIY余地があるため、初期は抑える判断が合理的です。
中間プランでは、この優先順位付けが特に効きます。
- 動線・収納・断熱など性能系を優先。
- 照明・カーテン・家具は後付け余地を意識。
- メンテ費用の低い素材を選ぶ。
- 将来の設備更新を見越して配線を先行。
数値テンプレで見積を自走化する
最後に、この記事の係数と表をそのまま使えるテンプレとして提示します。
面積を入れ替えるだけで、大まかな総額が即座に算出できます。
詳細見積の前に相場感を掴み、打合せを前に進めましょう。
入力と計算のテンプレ
下表の「坪単価」と「延床」を入替えれば、誰でも同じルールで瞬時に総額の目安を出せます。
商品ごとの平均坪単価は前章の値を初期値に、必要に応じて上下させてください。
| 項目 | 式 | サンプル | 結果 |
|---|---|---|---|
| 本体 | 坪単価×延床 | 76万円×35坪 | 2660万円 |
| 付帯 | 本体×0.15 | 2660×0.15 | 399万円 |
| 外構 | 本体×0.05 | 2660×0.05 | 133万円 |
| 諸費 | 本体×0.03 | 2660×0.03 | 80万円 |
| 小計 | 本体+付帯+外構+諸費 | 2660+399+133+80 | 3272万円 |
感度分析のコツ
テンプレに「面積」「坪単価」「オプション額」「地盤改良」を変数として付けると、商談中にその場で複数シナリオを回せます。
特に地盤改良は0〜150万円程度の揺れ幅を見込むことが多く、先に枠を確保しておくと予算超過のリスクが下がります。
また、外構は面積と舗装比率で伸びやすいため、早期に配置計画と同時検討するのが安全です。
- 面積+5坪/−5坪のケースを先に計算。
- 坪単価±5万円の上下を試す。
- オプション0/+100/+200万円の三段で比較。
- 地盤改良0/+80/+150万円を準備。
打合せでの使い方
テンプレ表を印刷し、担当者と同じシートで数字を埋めていくと、前提のズレが瞬時に発見できます。
また、商品間の差額は「何を買える差か」に翻訳して合意しておくと、後戻りが少なくなります。
中間プランの価値は、限られた差額で生活体験をどれだけ改善できるかに尽きます。
数字で合意を作るほど、満足度は安定します。
数字で押さえる要点
アイスマイルプラスは、規格の効率と自由度のバランスで「差額に見合う満足」を取りにいく商品です。
坪単価の平均と係数で総額を素早く算出し、アイスマイルとアイスマートを同条件で横並びにすれば、差額の意味が明確になります。
面積と費目を固定し、自由度を要所に配分する—この手順が中間プランのコスパを最大化する最短ルートです。
