アイ工務店の保証期間をわかりやすく解説|構造30年と20年無償点検の中身をプロが整理

アイ工務店の保証期間を知りたい人向けに、構造躯体の最長30年保証と20年間の無償定期点検の考え方を、プロの視点でわかりやすく整理します。

どこまでが無償で、どこからが有償メンテナンスになるのか、よく迷う線引きを具体例で解説します。

あわせて、長期保証を活かすための事前準備や、点検の受け方、書面の読み方も実務ベースでまとめました。

アイ工務店の保証期間と無償点検の基本を最初にそろえる

まずは全体像です。

新築引渡し後に受けられる「無償の保証」と「無償の定期点検」、そして施主負担の「有償メンテナンス」の関係を、同じ土台で把握しておくことが重要です。

ここを揃えておくと、見積や点検で迷ったときに判断がぶれません。

保証と点検の基本構造を一覧化する

以下は一般的な枠組みをベースに、アイ工務店の運用で混同しがちなポイントを整えた早見表です。

実際の適用は契約約款・保証書の範囲が優先されるため、手元の書類で必ず照合してください。

区分主な対象期間の目安無償/有償の考え方
構造躯体基礎・土台・柱・梁・耐力壁最長30年(条件付延長)初期保証+点検・所定メンテで延長
雨水の侵入を防止する部分屋根・外壁・サッシ取合い・防水10〜15年目安(項目差)初期保証後は経年劣化は原則有償
設備機器給湯器・換気・水栓・食洗機など1〜2年+メーカー保証故障はメーカー窓口、消耗は有償
内装・仕上げ床・建具・クロス・塗装1〜2年目安施工起因のみ、使用起因は有償
無償定期点検全体点検・微修繕の確認20年間(所定スケジュール)点検自体は無償、補修は別判断

「無償点検=無償補修」ではない点が最重要です。

点検は状態確認と必要工事の提案を受ける場であり、補修が無償か有償かは原因と保証範囲で決まります。

無償と有償の境目を具体例で理解する

境目を誤解しやすい代表例を押さえましょう。

判断基準は「施工起因か」「経年・使用起因か」「第三者・天災か」の三軸です。

  • クロスの入隅の微細な隙間は、乾燥収縮による経年が多く原則有償です。
  • サッシ周りからの漏水が施工不良に起因する場合は保証内の補修になり得ます。
  • 食洗機や給湯器の故障はメーカー保証の扱いで、消耗や経年は有償です。
  • 台風での飛来物による破損は火災保険(風災)適用の検討が先です。
  • 増改築やDIYで構造・防水を変更した場合は、該当部の保証が失効することがあります。

グレーなケースは、点検時の写真記録と施工記録で因果関係を確認してもらうのが近道です。

長期保証のキホン用語をおさえる

保証書や約款に登場する用語の意味を先にそろえておくと、打合せがスムーズです。

似た言葉でもニュアンスが違うため、表で最低限を共有します。

用語意味施主のアクション
初期保証引渡し時に付与される基礎的な保証保証書の保管・条件確認
長期保証点検・所定メンテを条件に延長される保証点検受検・指摘対応の記録
免責事由保証が適用されない条件該当回避・事前相談
維持管理義務施主側の日常的な維持責任清掃・消耗交換・雨仕舞点検

言葉の定義を手元で確認できるよう、保証書の該当ページに付箋をつけておきましょう。

構造躯体の最長30年保証を正しく活かす

「構造30年」という数字は、初期保証に加え、所定の点検・推奨メンテナンスを実施した場合に段階延長される仕組みが一般的です。

延長には条件があるため、対象範囲と失効条件を先に把握しておくことが重要です。

ここでは対象・条件・手続の三点を実務目線で整理します。

対象範囲を簡潔に整理する

構造躯体保証の核となる部位を把握しましょう。

下表はイメージであり、正確な範囲は契約書類が優先です。

区分含まれやすい部位含まれにくい部位ポイント
基礎・土台不同沈下・構造亀裂ヘアクラック・表面欠け構造耐力に影響するかが軸
柱・梁・耐力壁構造欠陥・接合不良表面キズ・意匠面の反り構造計算・施工記録が鍵
防水取合い雨水侵入に関わる取合い経年のコーキング劣化施工起因か経年かの判別

「見た目の傷」よりも「耐力・防水に影響があるか」どうかが線引きの中心です。

延長条件と失効リスクを把握する

延長には「点検受検」「指摘事項への対応」「指定メンテの実施」などの条件が付くのが通例です。

失効を招きやすい行為を先に知り、避ける・記録するを徹底しましょう。

  • 無届けの外装改修や増築で雨仕舞を変更し、雨漏りが発生した場合は対象外になり得ます。
  • 点検の未受検や指摘放置は、延長の要件を満たさず失効の原因になります。
  • 基礎周りの土被り変更や過度の植栽で通気を阻害すると、瑕疵判定が難しくなります。
  • 地震・豪雨など天災起因は保証外のことが多く、火災保険・地震保険の活用が先です。

やむを得ずDIYやリフォームを行う場合は、施工前に相談し、施工後の写真と仕様書を保管しましょう。

保証申請の流れと証跡づくり

いざという時にスムーズに進めるには、平時の記録がものを言います。

短いステップで良いので、次の流れをテンプレ化しておきましょう。

  • 発見した日時・状況をスマホで撮影し、発生条件をメモします。
  • 点検窓口または担当へ連絡し、施工記録の確認と現地調査日を決めます。
  • 原因が施工起因か経年かの説明を受け、保証適用可否と費用区分を文書でもらいます。
  • 工事後は「施工前中後」の写真・使用材料・保証延長の扱いを添付して保管します。

事実の整理と写真の整備だけで、やり取りは格段に早くなります。

20年間の無償定期点検の中身を理解する

無償定期点検は、家の健康診断です。

点検自体は無償でも、見つかった補修が無償か有償かは原因で分かれます。

スケジュールと点検内容を把握し、必要な準備をしておくと、短時間で有益な点検になります。

点検スケジュールの例と確認範囲

下の表は代表的な時期と内容のイメージです。

必ず自宅の点検案内に従い、実施内容と記録の受け取り方法を確認してください。

時期主な点検項目施主の準備
3か月・1年建具調整・クロス・給排水まわり気になる不具合のリスト化
2年外部シーリング・屋根目視・基礎周り外周の障害物撤去
5年外装・バルコニー防水・換気性能設備の作動確認
10年外壁塗装要否・防水・サッシ取合い見積比較の準備
15年屋根塗装要否・給湯機更新補助金の確認
20年総合点検・延長条件の整理これまでの記録の提出

点検結果は紙・データで受け取り、写真とともに年次フォルダで保管しましょう。

点検で指摘されやすい箇所とセルフチェック

事前にセルフチェックしておくと、点検の精度が上がります。

特に外装と水まわりは小さな兆候が早期発見の鍵です。

  • 外壁のチョーキングや目地のひび割れを外周一周で確認します。
  • バルコニーの排水口の詰まりやトップコートの白化を目視します。
  • 浴室・洗面・キッチンの水漏れ跡やカビの発生部位を撮影します。
  • 建具の建付けやドアクローザーの動きをチェックします。
  • 換気扇フィルターの目詰まりを掃除し、風量を体感で比較します。

「違和感メモ」を点検者に渡すだけで、現場の議論が具体になります。

点検前の準備と当日のコツ

短時間で効率よく見てもらうための準備をしておきましょう。

小さな工夫で、漏れなく丁寧に見てもらえます。

  • 屋根・小屋裏・床下点検口の周辺を片付け、アクセスを確保します。
  • 過去の点検記録・工事記録・保証書をひとつのクリアファイルにまとめます。
  • 気になる箇所は養生テープで印を付け、写真番号と対応させます。
  • その場で結論が出ない場合の、連絡方法と回答期限を決めます。

準備が整っている家ほど、提案精度と対応速度が上がります。

どこからが有償メンテナンスかを具体例で押さえる

「点検で見積が出たが、これは有償なのか」という迷いを減らすために、代表的な事例で線引きを共有します。

あわせて、費用負担を軽くする方法も把握しておきましょう。

外装・防水の典型事例と判断軸

施工起因か経年か、第三者起因かで判断が分かれます。

ざっくりの目安を表で確認しておきましょう。

症状主因の目安無償/有償の傾向メモ
外壁の色あせ・チョーキング紫外線・経年有償(塗装)防水性低下の指標
サッシ取合いからの漏水取合い施工・納まり無償の検討余地施工記録・雨筋写真が鍵
バルコニーのトップコート白化経年・紫外線有償(再塗装)早め更新で下地保護
台風での板金はがれ風災保険適用の検討先に保険会社へ連絡

迷ったら「原因の特定」「写真と時系列」「施工記録の照会」の三点セットで相談しましょう。

生活起因の不具合と施主側の維持管理

日常の使い方で生じる不具合は、原則として施主側の維持管理に該当します。

以下は有償になりやすい領域です。

  • 床キズ・凹み・水濡れによる膨れなどの意匠損傷です。
  • 換気扇やフィルターの目詰まりに伴う性能低下です。
  • 排水口の詰まりやパッキン劣化に伴う滲みです。
  • 棚・金物への過荷重による変形や外れです。

取扱説明書に沿った清掃・点検の履歴を残すと、判断がスムーズになります。

保険・メーカー保証・延長保証の活用

費用負担を軽くする三本柱を、状況に応じて使い分けましょう。

窓口を迷いがちなので、先に優先順位を決めておきます。

  • 台風・雹・雪・落雷は、まず火災保険の風災・雹災・雪災特約を確認します。
  • 設備故障は、メーカー保証と延長保証を優先して連絡します。
  • 構造・防水は、施工会社の保証窓口に原因特定を依頼します。

「どこに先に電話するか」を家族で共有しておくと、いざという時に迷いません。

長期保証を最大限に活かす運用術

保証は「入れて終わり」ではなく「活かす」ものです。

日々の小さな習慣と、書類の整備だけで、受けられる範囲とスピードは大きく変わります。

最後に、今日からできる運用のコツをまとめます。

写真と書類の“証跡”をためる仕組み

あとから振り返れる状態を作っておくと、説明が一瞬で済みます。

家族共有のクラウドに「年/月/場所」でフォルダを切り、定点撮影と書類PDFを並べましょう。

  • 点検記録・施工記録・保証書・取説をPDF化して保管します。
  • 外装・防水は同じ角度から年1回撮影します。
  • 水回り・窓周りのビフォー/アフター写真を残します。
  • 相談・回答のメールやチャット履歴を一本のノートに集約します。

“根拠がある”だけで、保証判断は速くなります。

約款・保証書の読み方ミニガイド

長文の約款は、全部を暗記する必要はありません。

意思決定に直結するページだけ、付箋とメモで索引化しておきましょう。

章/項目見る理由付箋メモ例
保証の対象・期間何年・どこまでが対象かの根拠構造30年の延長条件はP◯
免責事由対象外を先に知り回避するDIY・増改築の扱い
維持管理義務施主がやるべき基本の確認清掃・点検の頻度
手続・通知申請の窓口・期限を逃さない連絡先・回答期限

要点だけ拾えれば、必要時にすぐ深掘りできます。

購入前・引渡し前にやっておくと効く準備

これから契約・着工という人は、保証を活かす前提づくりが可能です。

契約書に反映できる段階で、次の確認をしておきましょう。

  • 保証書・約款の最新版を事前に受け取り、延長条件の明文化を確認します。
  • 点検スケジュールと連絡方法、記録の受け取り形式(紙/データ)を決めます。
  • 外装・防水・屋根の仕様書と施工写真の引渡し時提供を依頼します。
  • 取扱説明・メンテ講習の参加者を家族から2名以上確保します。

「あとで聞けばいい」は、忙しい引渡し後ほど難しくなります。

アイ工務店の保証期間と無償点検の要点を一気に要約する

構造躯体は最長30年の長期保証ですが、点検受検や所定メンテの実施など条件を満たして段階延長される仕組みが一般的です。

20年間の無償定期点検は「診断」であり、補修まで自動で無償という意味ではないため、原因と保証範囲で有償/無償が分かれます。

長期保証を活かすコツは、点検の受け忘れをなくすこと、指摘の原因特定を写真と記録で支えること、DIYや改修は事前相談して保証を毀損しないことです。

最後にもう一度、実務の三か条です。

  • 保証書・約款の「対象・免責・延長条件・手続」を付箋で索引化します。
  • 年次の定点撮影と点検記録のクラウド保管で“証跡”を作ります。
  • 原因が曖昧な不具合は、時系列・写真・施工記録を揃えて相談します。

この三つを続けるだけで、保証の価値は最大化され、いざという時の対応スピードと安心感が大きく変わります。