一条工務店の窓サイズ一覧と図面の見方|型番から実寸まで一発でわかる早見表

一条工務店の図面で「窓」を読み解くときに迷いやすいのが、型番と実寸(外枠・有効開口・ガラス見付寸法)の関係です。

本記事では、一条工務店の窓サイズ一覧を自分で作れるように、図面の見方と型番の読み替え手順、よくある設計記号、採寸時の注意点を体系的にまとめました。

シリーズや採用サッシの変更で細部は異なるため、ここでは図面で必ず確認すべき共通ポイントと、型番から実寸へ変換するための「考え方の早見表」を提示します。

一条工務店の窓サイズ一覧を図面から読み解く

一条工務店の図面には、窓ごとに「型番(呼称)」「取付位置(GL・FL基準)」「開口寸法」「方立・ふかし枠の有無」などが記載されます。

まずは図面の凡例(レジェンド)とサッシ仕様欄で、寸法の基準が「外枠基準」か「開口基準」かを特定します。

次に、同一フロア内で代表的な引違い窓・縦すべり出し窓・FIX窓のいずれかを1つ選び、型番と記載寸法の対応関係を確認します。

以降は同じロジックで横展開すれば、家全体の窓サイズ一覧を短時間で確定できます。

図面の必須チェック項目

最短で読み解くには、図面の同じ場所を毎回見る「型」を作るのが有効です。

配置図・平面図・立面図・サッシ表(あれば)・詳細図の5点を横断し、どの寸法が「実測できる外枠」なのか、どれが「開口(下地)寸法」なのかを区別します。

また、階ごとにサッシシリーズが混在していないか、浴室やトイレなど防湿仕様で框寸法が変わるものがないかも要確認です。

  • 凡例:寸法の基準(外枠/開口)と単位(mm)の明記
  • 平面図:窓の型番・方立・網戸・面格子の記号
  • 立面図:サッシ外形ラインと見付の位置
  • サッシ表:型番と仕様(色・ガラス種・網戸)
  • 詳細図:ふかし枠・下枠見切・水切りの納まり

このチェックリストを使うと、漏れなく対象窓の実寸に到達できます。

型番から外枠寸法へ変換する考え方

多くのサッシの「型番(呼称)」は、横(W)と縦(H)の順でおおよその寸法区分を表し、図面ではその呼称に対して「外枠寸法」または「開口寸法」が対応づけられます。

呼称=完全な実寸ではない点に注意し、図面の凡例で「呼称→外枠」「呼称→開口」のどちらの対応かを特定します。

次の早見表は、図面でよく用いられる代表的な呼称区分を「外枠の目安」と「開口クリアランスの考え方」とともに示したものです。

呼称の例外枠W×Hの目安開口との差分の考え方
W1650×H970級約1,650×約970開口は外枠+取付クリアランス(例:左右各5〜10mm、上下各5〜10mm)
W1690×H2030級約1,690×約2,030大型は歪み補正のためクリアランスがやや広めになることあり
W640×H970級約640×約970縦すべりや片上げ下げはヒンジ・金物分の見付が増えることあり
W910×H1170級約910×約1,170ふかし枠・方立追加時は外枠見付が加算される

実際の数値は図面の注記と製品仕様に従い、現場採寸では外壁仕上や内装見切と干渉しないかまで確認します。

外枠・有効開口・ガラス見付の違い

「外枠寸法」はサッシの箱全体のサイズ、「有効開口」は障子や枠を差し引いた人が通れる・換気できる実用開口、「ガラス見付寸法」は可視範囲のガラスの見えるサイズを指すのが一般的です。

同じ呼称でも窓種によって差し引きが異なるため、早見表を使って概算を出しつつ、最終的には図面の詳細と仕様で確定します。

以下は各寸法の関係を整理した要点です。

  • 外枠:設置上の基準。カーテンボックスや面格子の干渉確認は外枠で行う。
  • 有効開口:換気量・避難経路・家具搬入の判断はここを基準にする。
  • 見付寸法:採光計算や窓際家具のレイアウトに影響。
  • ふかし枠・方立:外枠寸法と見付寸法の双方に影響し、窓台・サッシ下枠納まりも変える。

計画段階でどの寸法が意思決定の根拠かを明確にしておくと、後戻りが減ります。

窓種別の読み替えのコツ

引違い窓は左右障子で中央方立が生じ、有効開口は外枠幅から「方立+障子框」を差し引いた値になります。

縦すべり出し窓はヒンジ側の見付が厚く、開放角によって有効開口が変動します。

FIX窓は可動部がなく、見付寸法=採光性能の目安になりやすい一方、清掃やメンテ経路を別途検討する必要があります。

窓種有効開口の考え方注意点
引違い外枠W − 方立 − 障子框(片側)網戸位置で可動量が制限される場合あり
縦すべり外枠W − ヒンジ側見付 − 隙間止め開放角度により換気量が大きく変化
FIX外枠W/H − グレージングビード見付清掃・結露水の処理計画が必要

同じ呼称でも窓種により体感の「大きさ」は変わるため、用途に合わせて選定します。

一発チェックの進め方

家じゅうの窓サイズを一気に把握したいときは、代表1窓で「呼称⇔外枠」「外枠⇔有効開口」の対応を確定させ、チェックルールをテンプレ化します。

そのルールを各窓へ流し込めば、数十か所のサイズ一覧も短時間で作成できます。

以下の流れをそのまま使えば、ミスが激減します。

  • 凡例を読み、基準が外枠か開口かを断定する
  • 代表窓1つで「呼称→外枠」を検証する
  • 窓種ごとの差し引きルールを確定する
  • ふかし枠・方立・面格子の有無を反映する
  • 結果を一覧表に落とし、図面の注記と突合する

表に落とした後は、干渉チェックと採光・換気の妥当性を再評価します。

型番の読み方をマスターして誤差をなくす

型番は「呼称寸法の区分」と「窓種・仕様」をまとめて表すため、数字だけを見て実寸と誤解しがちです。

図面の注記には「呼称は外枠寸法と一致する/しない」や「シリーズ別の枠見付差」などが示されることが多く、ここを見落とすと数センチの誤差が生じます。

以下では、型番を実寸へ正しく読み替えるための要点を解説します。

呼称と実寸の関係を整理する

呼称は「製品グループの目安寸法」であり、製造上の許容差や納まり部材(ふかし枠・面格子・水切り)で最終外形が変化します。

図面で呼称と外枠寸法が併記されていれば、外枠を優先して採寸計画に用い、呼称はカタログ照会の索引として扱うのが安全です。

次の表は、呼称と実寸を取り違えないための確認観点を整理したものです。

項目確認ポイント
凡例の基準呼称=外枠か/呼称=開口かの宣言
納まり部材ふかし枠・方立・面格子の追加有無
窓種違い引違い・縦すべり・FIXでの差し引き
階・部屋別仕様浴室・トイレ等の防湿仕様で枠厚が変化

この4観点を押さえれば、型番から実寸への変換精度が上がります。

図面注記の読み取りで確定させる

図面には小さな注記に重要情報が集約されます。

例えば「サッシ寸法は外枠寸法基準」「網戸外付」「面格子内付」「アルミ水切付属」といった一文が、外形と見付・干渉の判断を左右します。

注記は窓ごとに書かれない場合も多いので、凡例・仕上表・サッシ表・詳細図を行き来して整合を取ります。

  • 外装見切:窓まわり役物(ケーシング・水切り)の厚み
  • 内装見切:窓台・額縁の出幅とカーテン干渉
  • 付帯部材:面格子・シャッター・スクリーンの固定位置
  • 基準高さ:床見切からのサッシ下端(CH・FHの指定)

この読み合わせを経て、実寸を確定させます。

数センチのずれを防ぐテクニック

家具・カーテン・ブラインド・造作収納の寸法は、サッシ外枠よりも「見付」との関係で決まります。

採寸トラブルの大半は、下枠前の干渉やカーテンレール位置の取り違えから発生します。

以下のテクニックを先に適用しておくと、実測時の微調整が最小化されます。

  • 「外枠」「有効開口」「見付」の三寸法を必ず同時にメモする
  • カーテンレール・スクリーンは下地位置とビス可否を図面で確定
  • 造作カウンターはサッシ下枠の段差と防水見切を先出し設計
  • バルコニー手すり・面格子の出を立面図で干渉チェック

施工段階の手戻りを大幅に減らせます。

窓サイズ早見表を自作して全窓を一気に把握

家中の窓を一覧化する最短の方法は、図面上の情報を「同じ記入ルール」で表に落とし込むことです。

ここでは、呼称・外枠・有効開口・見付を1行にまとめるテンプレートと、書き込みの順序を紹介します。

この表を使えば、差し回しの違う窓でも比較が容易になり、干渉チェックや採光検討がスムーズになります。

サイズ一覧テンプレート

まずは代表窓を1つ確定させ、呼称と外枠の対応を作ります。

次に窓種ごとの差し引きルールを当てはめ、有効開口と見付を算出していきます。

以下のテンプレートはそのまま転記して使えます。

記号部屋窓種呼称外枠W×H有効開口W×H見付W×H備考
W-01LDK南引違い例:W1690×H2030例:1690×2030例:1520×1860例:1580×1940方立有・網戸外付
W-02主寝室縦すべり例:W640×H970例:640×970例:520×900例:560×920ヒンジ左・面格子内付

実数は図面の注記に従って上書きし、備考に納まり条件を必ず残しましょう。

入力の順番を固定する

毎回同じ順に拾い出すだけで、ヒューマンエラーは激減します。

特に備考欄は「方立」「網戸位置」「ふかし枠」「面格子」「シャッター」「水切り」「基準高」をセットで記録すると、後日の干渉チェックが圧倒的に楽になります。

以下の順番を推奨手順として使ってください。

  • 呼称→外枠の対応確認(凡例・注記)
  • 窓種別の差し引き確定(有効開口・見付)
  • 付帯部材の有無(面格子・網戸・シャッター)
  • 基準高さ(下端・上端)
  • 干渉チェック(カーテン・家具・手すり)

全窓で同じ順番を守るだけで比較が容易になります。

近似寸法の使い分け

計画初期は「近似値」で可否判断し、実施段階で「確定値」に更新する二段構えが効率的です。

例えば家具選定は見付寸法を−10〜−20mm見込むなど、安全側に倒しておくと現場の微差に吸収力が生まれます。

ただし法令の採光・換気計算は確定値で行い、確認申請の寸法は図面と一致させます。

  • 計画初期:見付=外枠−枠見付×2(概算)
  • 実施段階:図面注記のビード寸法で再計算
  • 現場:仕上り寸法を実測し最終確定

段階ごとに精度を上げる運用が、手戻りを防ぎます。

窓まわりの干渉を先読みして失敗を回避

窓サイズの確定は単体で完結せず、カーテン・ブラインド・面格子・手すり・造作カウンター・エアコン・家具といった周辺要素とセットで検討する必要があります。

ここでは、よくある干渉とその回避策をまとめ、図面段階で赤入れしておくべきポイントを明示します。

採寸や発注の直前に気づくとコストとスケジュールに影響しやすいため、前倒しで潰しておきましょう。

カーテン・スクリーンとの干渉

窓台や額縁の出、レールの位置、スクリーンボックスの奥行は、外枠寸法よりも「見付」との関係で決まります。

特に縦すべり窓はハンドル出っ張りとスクリーン干渉、引違い窓は網戸レールとロールスクリーンの当たりが典型例です。

以下の観点を抑えると、干渉を未然に防げます。

  • レール芯から障子までの離れ寸法の確保
  • スクリーンボックスの内法と巻き径の整合
  • 窓台見付とカーテン裾のクリアランス
  • ハンドル・クレセントの出寸と干渉可否

立面図と断面スケッチで事前にあたりを取るだけで解決できます。

面格子・手すりの出と採光

面格子・手すりは安全上重要な部材ですが、見付や採光に影響します。

格子ピッチ・縦横方向・外付/内付の別は、清掃性や非常時の脱出経路にも関わるため、早見表の「見付寸法」を使って影響を定量化します。

代表的な比較軸を下表にまとめます。

部材外付/内付影響確認ポイント
面格子外付採光・清掃性格子出寸/ピッチ/防犯ネジ位置
面格子内付見付・可動範囲開閉干渉/網戸位置
手すり外付開放感FIXとの組合せ時の視界確保

安全・景観・メンテの三立を意識して決めましょう。

設備・家具との取り合い

エアコン・レンジフード・壁掛けテレビ・造作収納は、窓の位置とサイズに強く制約されます。

窓サイズの確定前に設備計画を先行させると、最終的に窓の有効開口が犠牲になることがあります。

計画初期に「窓サイズ早見表」と「設備レイアウト」を突合し、干渉を数字で解消しておくのがコツです。

  • 室内機と窓上端の離れ寸法(保守スペース)
  • レンジフードダクトと窓の干渉(外部水切り位置)
  • テレビ壁面の配線ルートと開口の競合
  • 造作カウンター高さとサッシ下枠段差

最後に立面図へ反映し、図面間の整合を取ります。

実測・発注・引渡しまでの運用フロー

図面を読み解いてサイズ一覧を作成した後は、実測→発注→取付→引渡しの各工程で、寸法の確定と確認を段階的に進めます。

ここでは、現場での採寸ポイントと、誤差を吸収するための安全マージン設定、引渡し時の最終チェック項目をまとめます。

この運用を守れば、サイズ違いによるやり直しや納期遅延のリスクを大幅に抑えられます。

実測時の注意点

内装下地が仕上がる前後で寸法が変わる可能性があるため、採寸のタイミングは「枠固定完了後・仕上前」を基本にします。

計測は対角チェックを含め、歪みや反りを検知できるように2方向で行います。

以下の観点を満たせば、ブラインドや造作の発注寸法が安定します。

  • 左右・上下の2点以上で内法を測る(最大と最小を記録)
  • 対角寸法の差(歪み)が規定内かを確認
  • 仕上材の厚み・シーリングの仕上がりを想定
  • 最終寸法は安全側に丸めて発注

写真とメモをセットで残し、一覧表に反映しましょう。

発注時の検算ポイント

カーテン・スクリーン・面格子・手すり等の発注では、図面数値と実測値の整合、製品側の最小/最大製作寸法の範囲に入っているかを検算します。

サイズ表に「決定値」「安全マージン」「製作可能範囲」の3列を足しておくと、現場とのコミュニケーションがスムーズです。

項目チェック内容想定対策
製作範囲最小・最大寸法内か上下限を超える場合は製品変更
クリアランス干渉しない余裕があるか干渉時は金物位置を調整
納期工程に間に合うか仮付で工程維持・本付後調整

発注前に必ず第三者チェックを入れるのが安心です。

引渡し前の最終確認

引渡し前は、窓の開閉・施錠・網戸・クレセント・水密部の目視確認を行い、外部はシーリングと水切り、内部は額縁の割れやコーキングの仕上がりをチェックします。

採寸関連では、実装された窓サイズが一覧表の決定値と齟齬がないか、可動量と干渉がないかを最終確認します。

  • 可動・施錠・気密の作動確認
  • 網戸・面格子・シャッターの取付方向と動作
  • 室内外の見切・シールの仕上がり
  • 採光・視界・隣家配慮の最終チェック

不具合は写真つきで指摘し、是正後の再確認まで行います。

一条工務店の窓サイズの読み方を押さえれば迷わない

図面の凡例で「呼称⇔外枠・開口」の関係をまず確定し、代表窓で読み替えルールを作れば、家中の窓サイズ一覧は短時間で構築できます。

外枠・有効開口・見付の違いを理解し、ふかし枠・方立・面格子など付帯部材の影響を表に反映すれば、採光・換気・干渉チェックまで一気通貫で評価可能です。

最後に、実測・発注・引渡しの各段階で数値を更新し、一覧表を最新化する運用を徹底すれば、型番から実寸まで「一発でわかる」状態を維持できます。