一条工務店で押入れの標準仕様を確認したい人に向けて、布団が収まる奥行や幅の目安を分かりやすく整理します。
一般的に押入れは奥行が約六〇センチと約九〇センチの二系統があり、幅は一間と半間が基本単位になります。
本記事では、中段や枕棚の構成を含め、布団収納を前提にした寸法の考え方をシリーズ共通の前提で解説し、迷いなく計画できるよう早見表と選び方のコツを提示します。
一条工務店で押入れの標準仕様を正しく把握する
最初に、標準押入れの奥行、幅、高さといった「箱の基本」を押さえることで、後のプラン調整がスムーズになります。
ここでは、六〇センチと九〇センチの奥行差がどんな使い勝手の差になるのか、一間と半間の幅選択が内部配置にどう効くのかを、布団収納を主語にして整理します。
高さ方向は中段と枕棚でゾーニングされるため、出し入れ頻度と荷姿の関係を先に決めておくのが実務的です。
基本寸法を押さえる
押入れの使い勝手は、奥行と幅の一次元だけでなく、内法寸法と開口幅の組み合わせで決まります。
六〇センチは日用品中心の浅型、九〇センチは布団や大型ケース向けの深型という住み分けが基本です。
幅は一間で寝具一式+季節物が同居しやすく、半間は個室や廊下の補助収納として扱いやすいサイズ感です。
| 項目 | 半間 | 一間 | メモ |
|---|---|---|---|
| 内法幅の目安 | 約900〜910mm | 約1800〜1820mm | 建具枠で数センチ減少 |
| 奥行の目安 | 約600mm / 約900mm | 約600mm / 約900mm | シリーズで選択可 |
| 天井までの高さ | 約2300mm前後 | 約2300mm前後 | 階高により変動 |
| 開口幅 | 約700〜800mm | 約1400〜1600mm | 引き戸枚数で調整 |
布団収納の目安
布団は「畳んだときの厚みと奥行」を見誤ると、前後に無駄な隙間が生まれたり、建具と干渉します。
掛け布団は圧縮袋で嵩は減らせますが、毎日の出し入れがある来客用は圧縮せずに収まる寸法で考えるのが現実的です。
マットレスは折りたたみ可否で必要奥行が大きく変わるため、九〇センチ奥行を選んでおくと将来の入替にも対応しやすくなります。
- シングル掛け布団は畳み寸法で約700×500×250mmが目安。
- 敷き布団は約1000×700×300mmを想定し、九〇センチ奥行で縦横の向きを調整。
- 三つ折りマットレスは奥行600mmでも可だが厚みに注意。
- 来客用二組なら一間×九〇センチ奥行が安心。
- 圧縮保管は短期向き、日常出し入れは非圧縮基準で設計。
中段の設定
中段は布団の定位置になる「主役の棚」で、床からの高さ設定が重要です。
腰高付近に中段があると荷重物の出し入れが体に優しく、下段は箱物や季節家電を置けて無駄が出ません。
中段の前後寸法は奥行九〇センチなら全奥行を使い切らず、配線や除湿器のスペースを確保すると運用が安定します。
枕棚の使い分け
枕棚は軽量物の長期保管に向くため、圧縮した布団カバー、来客用枕、シーツ類の定位置に適しています。
高さは出し入れ時の頭上クリアランスを確保しつつ、踏み台なしでも届く家族の身長に合わせて調整するのがコツです。
収納ケースを使う場合は、枕棚の奥行に対してケースの蓋開きしろを見込むと、日々の出し入れがスムーズです。
- 枕棚高さの目安は床から約1800mm前後。
- 奥行は約400〜450mmでケースの蓋開きに余裕。
- 耐荷重は分散収納でたわみを防止。
- 落下防止に前端で5〜10mmの立ち上がりが有効。
- 除湿剤の定位置を片隅に確保。
引き戸と内法
引き戸の有効開口は、内法幅から建具と方立の見込み分が差し引かれるため、実際に搬入できる荷姿で検討します。
一間の二枚引きなら中央の方立が細い仕様を選ぶと、両側の可搬性が上がります。
半間幅では一枚引きのストロークで取り出すため、中央に重い荷物を置かない配置計画が有効です。
| 構成 | 有効開口の目安 | 運用のコツ |
|---|---|---|
| 半間・一枚引き | 約700〜800mm | 中央は軽量物、重い物は端へ |
| 一間・二枚引き | 約1400〜1500mm | 方立細めで可搬性向上 |
| 三枚引き | 約900〜1000mm | 開口側へ重心を寄せる |
間取りに合わせたサイズ選び
押入れの寸法は、部屋の短辺長さと通路計画に強く影響します。
個室では半間×六〇センチの浅型で十分な場面が多く、主寝室や客間では一間×九〇センチで布団と季節物をまとめると動線が整います。
通路と建具の干渉、家具の奥行とのバランスを踏まえて、過不足のない寸法を選ぶことが失敗回避の近道です。
部屋別の基準
用途によって標準寸法の選び方は変わります。
子ども部屋やワークルームの補助収納には半間×六〇センチが軽快で、主寝室は布団のサイズに寄せた一間×九〇センチが合理的です。
廊下面や階段ホールでは、動線確保を最優先にして浅型を選ぶと日々のストレスが減ります。
- 主寝室は一間×奥行900mmで寝具+季節物を集約。
- 子ども部屋は半間×奥行600mmで学用品中心に。
- 客間は一間×奥行900mmで来客用布団の常備を想定。
- 廊下収納は半間×奥行600mmで通路幅を優先。
- 納戸は一間×奥行900mmで大型ケース対応。
一間と半間の使い分け
幅の違いは、同居させられるカテゴリ数の違いに直結します。
一間なら布団二組+衣装ケースを同時配置しやすく、半間はカテゴリを絞った定位置管理に向きます。
表の通り、布団を主役に据えるなら一間の汎用性が高く、個別用途なら半間の効率が勝ります。
| 用途 | 推奨サイズ | 想定収納 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 寝具中心 | 一間×奥行900mm | 布団2組+衣装ケース | 中段必須 |
| 日用品中心 | 半間×奥行600mm | 消耗品・家電小物 | 可動棚が有効 |
| 混在運用 | 一間×奥行600mm | 薄物+ケース | 奥行節約で通路確保 |
奥行と通路の相性
奥行九〇センチは容量に優れますが、対向に家具がある場合は通路幅を確保できるかを先に確認します。
引き戸の前にテーブルやベッドが来ると、開口ストロークが足りず出し入れが阻害されます。
最低でも通路八〇センチ、できれば九〇センチを担保し、干渉が出る場合は六〇センチ奥行と可動棚で柔軟性を高めるのが現実解です。
布団を基準にした寸法の考え方
押入れは「何を基準に設計するか」で正解が変わります。
ここでは布団を主役に据え、畳んだときの実寸、出し入れの姿勢、季節品との同居の三視点で寸法と構成を決める手順を示します。
数値を先に確定すると、棚位置や建具仕様の選択が自動的に収斂し、後戻りが減ります。
たたみ寸法の現実
布団はメーカーや素材で厚みが大きく異なりますが、実務では「最大値寄り」で見積もるのが安全です。
下表は一般的な畳み寸法の目安で、押入れの奥行と中段高さを決める際の基準になります。
特に敷き布団は厚めを基準にし、二組並置時の前後余裕を確保して建具と干渉しないよう配慮します。
| 品目 | 畳み寸法の目安 | 収納の推奨 |
|---|---|---|
| 掛け布団(S) | 約700×500×250mm | 枕棚 or 中段上 |
| 敷き布団(S) | 約1000×700×300mm | 中段上で前後余裕50mm |
| 三つ折りマットレス | 約650×900×330mm | 奥行900mm推奨 |
| 来客用二組 | 上記×2 | 一間×奥行900mm |
出し入れの余裕
数値上は入っても、出し入れ時の「手の入りしろ」「体の回転しろ」が不足すると運用が破綻します。
棚前端から建具までの距離を三〇〜五〇ミリ確保し、布団の前後クリアランスとして最低五〇ミリを見ておくと、日常使いのストレスが減ります。
握りやすい位置に手掛かりを設ける、ケースの持ち手を前面に出すなど、ミリ単位の配慮が効きます。
- 中段前端から建具まで30〜50mmの指掛かりを確保。
- 布団の前後方向に50mm以上の余白を設定。
- 引き戸の戸当たり位置と干渉しないケース高さを選定。
- 踏み台常備で枕棚の安全性を担保。
- 除湿器の電源・排水ルートを事前に確保。
季節物の同居
布団と季節衣類を同居させる場合、中段上は布団、下段はケース、枕棚は軽量物という重量配分が基本です。
ダウンや毛布は圧縮で容積を半減できますが、頻繁な出し入れがある季節の変わり目は圧縮を控えて回転率を優先します。
ニオイ移りを避けるため、布団と衣類は収納袋やケースでゾーンを分け、前後方向の混載は避けると管理が安定します。
シリーズ共通の設計ポイント
シリーズごとの意匠差はあっても、押入れの設計原則は大きく変わりません。
ここでは、構造と内法、金物と建具、通気とメンテの三つの観点で、標準仕様を踏まえた実務ポイントをまとめます。
図面段階でこれらを先回りして決めておくと、現場での納まりと使い勝手が両立します。
構造と内法
内法寸法は下地位置や建具枠の納まりに左右されるため、図面の寸法線だけでなく「出来上がり寸法」で確認することが重要です。
背面に配管やダクトが通る場合は、後付けで奥行が減るリスクがあるため、先に通り道を確定しておくと安全です。
棚受けは荷重に応じてピッチを詰め、たわみやビス抜けを防ぎます。
| 項目 | 標準の考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 内法確認 | 出来上がり寸法で管理 | 枠・見切で数十mm減 |
| 棚受け | 中段は固定・他は可動 | 荷重に合わせてピッチ調整 |
| 背面スペース | 配線・通気の逃げを確保 | 後施工で奥行が減らない配慮 |
金物と建具
引き戸の走行性は日常の満足度に直結します。
ソフトクローズや上吊りの採用は、床レールの清掃性と安全性に寄与し、長期的に動作品質を保ちます。
取っ手は衣類や布団袋に引っかからないフラット形状が実用的で、鍵が必要な場所ではシンプルなラッチが扱いやすい選択です。
- 上吊り引き戸で床のゴミ詰まりを回避。
- ソフトクローズで指挟みリスクを低減。
- フラットハンドルで引っかかりを防止。
- 戸当たり位置はケース高さと干渉確認。
- レール掃除用の取り外し手順を共有。
通気とメンテ
押入れは湿気とホコリの管理が品質を左右します。
通気見切りや床寄りの吸気、枕棚付近の排気で緩やかな空気の流れをつくり、除湿剤は「量」よりも「配置のばらけ」で効かせます。
年に一度の全出し点検で、棚板のたわみ、ビスの緩み、建具の走りを確認すれば、長期の使い勝手が安定します。
一条工務店の押入れは寸法で使い勝手が決まる
押入れは奥行六〇センチと九〇センチ、幅は半間と一間を軸に、布団の実寸と出し入れの所作で答えが決まります。
中段と枕棚の高さを先に決め、開口幅と通路の干渉を解消すれば、日常の動線は自然と整います。
迷ったら、来客用二組を基準に一間×九〇センチ、個室や廊下は半間×六〇センチを起点に調整し、出来上がり寸法で最終確認するのが最短ルートです。
