アイ工務店で設計士との打ち合わせ回数が「標準2回まで」と聞くと不安になります。
しかし実際は営業との打ち合わせが回数無制限で、設計前の仕込み次第で密度の高い2回に仕立てられます。
本稿では2回制限の意図と回数の数え方、初回と二回目の到達ライン、事前準備チェックと当日の進め方を体系化して解説します。
アイ工務店で設計士との打ち合わせ回数は何回までかを正確に理解して戦略を立てる
まずは「設計士との打ち合わせ回数は何回までか」を正しく理解します。
多くの支店で標準2回を前提としつつ、営業打ち合わせやオンライン確認、軽微な質疑は回数カウント外として運用されるのが一般的です。
回数の枠を怖がるより、1回あたりの到達点を明確化して段取りすることが実務の近道です。
回数と枠組みの整理
設計士同席の打ち合わせと、営業主導の事前・事後の打ち合わせを区別して把握します。
下表は回数の扱いと目的の一覧です。
| 区分 | 回数の扱い | 主な目的 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 営業打ち合わせ | 回数無制限 | 要望整理・仕様の叩き台 | 1〜2時間×複数回 |
| 設計士打ち合わせ① | カウント対象 | 基本プラン確定・構造方針合意 | 3〜6時間 |
| 設計士打ち合わせ② | カウント対象 | 配線・設備・納まり確定 | 3〜6時間 |
| 軽微な確認 | メール・オンライン | 寸法確認・誤記修正 | 30〜60分 |
支店ルールは微差があるため、初回前に定義を文面で確認しておくと安全です。
2回制限の趣旨
2回制限の狙いは、設計者の集中時間を確保し、工程に遅れを出さないための前提条件づくりです。
回数を絞る代わりに、図面や根拠をその場で固める密度が求められます。
したがって事前に営業と要望を咀嚼し、当日は「決める会」にするのが鉄則です。
営業打ち合わせの活かし方
営業との打ち合わせは「設計士同席のための仕込みの場」と位置づけます。
以下のチェックを営業段階で完了させ、当日の負荷を大幅に軽くします。
- 家族の優先順位を三つに絞り、譲れない条件を明文化する。
- 要望の「理由」を添えて、代替案に置き換えやすくする。
- 設備・色・質感は候補を三択化し、現物サンプルを同席依頼する。
- 外構の駐車台数と動線だけは先に固定して建物配置を決める。
- 資金計画とローン枠を確定し、増減の許容幅を数値化する。
「決めやすい場」を事前に作ることが、2回制限の最大の時短です。
初回で到達すべきライン
初回は「動かない骨格」を固める会です。
時間配分の目安を表に落とし、迷いをなくします。
| 時間帯 | テーマ | 到達点 |
|---|---|---|
| 前半60〜90分 | 敷地・配置・法規 | 配置図とGL・駐車台数確定 |
| 中盤90〜150分 | 平面計画 | 1・2階の間取り確定(ドア・窓大枠) |
| 後半60〜90分 | 構造・外皮 | 耐力壁・梁方針と断熱サッシの等級合意 |
骨格確定後に意匠や色へ進むと、戻りが劇的に減ります。
二回目のゴール設計
二回目は「暮らしの流れ」を数値化して図面に落とす会です。
決め漏れをなくすため、チェックリストを事前共有します。
- 配線。スイッチ位置・回路・分電盤容量・弱電系の系統図。
- 設備。給排水ルート・換気経路・給湯負荷と機器能力。
- 納まり。造作寸法・見切り・建具納まり・天井懐寸法。
- 外皮。庇寸法・外付け日よけの下地・断熱ライン連続性。
- 変更管理。以後の変更受付期限と増減単価のルール。
二回目の議事録は「発注可否」の判断材料として当日中に発行してもらいます。
2回制限をムダにしない事前準備チェックを整える
事前準備は「迷いの削減」と「当日の可視化」が目的です。
家族内の合意形成、資料の束ね方、ヒアリング回答の粒度を整えれば、2回でも十分に決め切れます。
準備物は表とリストで共有し、誰が見ても同じ結論になる状態を作ります。
家族合意の作り方
家族合意は“優先順位の三本柱”で表現すると強いです。
下記を営業と共有し、設計士にも事前送付します。
- 快適。採光・通風・温熱の優先度と許容トレードオフ。
- 家事。回遊動線・洗濯動線・収納動線の理想と妥協点。
- 将来。可変間仕切り・寝室計画・EVや太陽光など拡張余地。
「なぜそうしたいか」の理由があると、代替案が出やすくなります。
資料の束ね方テンプレ
資料は“誰でも迷わず開ける”順番で綴じます。
表紙に目次と図面番号を記し、メール添付も同じ順で送付します。
| 順番 | 資料名 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 要望書(A4一枚) | 優先三本柱と禁止事項 |
| 2 | 敷地図・求積 | 境界・高低差・方位の明記 |
| 3 | 現況写真 | 近隣・電柱・越境物の把握 |
| 4 | プラン案 | 可否ラインを赤で書き込み |
| 5 | 設備・色の三択 | 型番と理由を併記 |
同じ束を家族・営業・設計士で共有し、指差し確認できるようにします。
ヒアリングシートの粒度
ヒアリングは「事実」と「好み」を分けて書きます。
曖昧語は避け、数値や頻度で表現します。
- 家電寸法。冷蔵庫・レンジ・洗濯乾燥機・TVの幅奥行き高さ。
- 生活頻度。洗濯回数、在宅時間、来客頻度、車の台数。
- 収納実量。ハンガー本数、書籍量、季節家電の箱サイズ。
- 温熱の好み。冷暖房設定温度、直射・眩しさの許容度。
数値化された情報は、その場で図面へ即翻訳できます。
初回打ち合わせを最大化する進行と意思決定の型
初回は“骨格を固める日”です。
段取りを時間割にし、合意すべき成果物を先に宣言してから議論に入ると迷いません。
配置・平面・構造外皮の三段で、戻らない順に決めていきます。
時間配分の目安
初回の時間割を先に提示し、議論の迷走を防ぎます。
配分は敷地条件や家族数で調整します。
| ブロック | 時間 | 目的 | アウトプット |
|---|---|---|---|
| A | 60分 | 配置・高低差 | 配置図・GL・駐車動線 |
| B | 120分 | 平面計画 | 1・2階プラン、階段位置 |
| C | 60分 | 構造外皮 | 耐力壁ラフ、窓性能帯 |
| D | 30分 | 宿題整理 | 議事録・提出物一覧 |
この枠組みを冒頭で共有し、脱線を穏やかに戻します。
間取りを決める判断軸
間取りは「動線×採光×家具」で評価します。
評価軸を共有すれば、主観の衝突が数字で解けます。
- 動線。回遊と直線の長さ、交差回数、曲がり角の数。
- 採光。南面窓面積、冬至日射、夏の庇効き、外付け遮蔽の設置可。
- 家具。大型家具の搬入経路、TV・ダイニングの視距離確保。
三軸で80点超えなら、細部は次回で十分に詰められます。
構造と外皮の勘所
構造は「耐力壁の通り」「直下率」「スパンの限界」を数字で合意します。
外皮は「窓の等級」「庇の寸法」「換気経路の短絡防止」をセットで決めます。
- 耐力壁。直下率60%超を目標に、抜ける壁は鉄骨補強の要否を検討する。
- スパン。梁せいと天井懐のトレードオフを断面で確認する。
- 窓。南取得・東西遮蔽・北採光の役割分担を決めてから型番を選ぶ。
- 換気。給気と還気の位置を図面にプロットし、短絡を排除する。
ここでの合意は二回目の配線・納まりをスムーズにします。
二回目で決め切るための段取りとチェックリスト
二回目は「暮らしの操作系」を図面に固定する回です。
配線・設備・納まり・外構境界・変更管理の五点を、紙で残る形に落とし切ります。
迷いを残さないため、チェックと表を活用します。
チェックリストで抜けを防ぐ
配線と設備は“触る順”でチェックします。
家の一日を再生しながら確認すると漏れが減ります。
- 朝の導線。洗面・キッチンのタスク照明、コンセント高。
- 夜の導線。寝室のスイッチ動線、足元灯、スマホ充電位置。
- 掃除の導線。各階ルンバ基地、屋外コンセント、防雨蓋。
- 季節の導線。扇風機・加湿器・ヒーター用の専用回路。
- 非常時。停電時の階段照明、発電機接続口の位置。
生活シーンで点検すると、図面記号が暮らしの線になります。
未決事項の見える化表
未決は「誰が」「いつまでに」「何で決める」を一枚表にします。
当日の終盤で表を読み合わせ、責任と期限を確定します。
| 項目 | 担当 | 期限 | 決定手段 |
|---|---|---|---|
| キッチン面材 | 施主 | ◯/◯ | ショールーム現物 |
| 外付けスクリーン色 | 営業 | ◯/◯ | 現場色合わせ |
| 表札・ポスト | 施主 | ◯/◯ | 型番指定メール |
| ルーター位置 | 設計 | ◯/◯ | 配線図更新 |
表は議事録に添付し、見積番号・図面番号とリンクさせます。
変更管理ルールを先に決める
変更は悪ではありませんが、ルール不在はコスト増の温床です。
以下を合意しておけば、二回目以降も冷静に運べます。
- 変更受付の最終期限と、以降の追加費用の発生日。
- 増減精算の基準単価と、端数処理の方式。
- メールでの合意を正式記録とし、PDFで保管する運用。
- 色番変更時の関連部材(巾木・見切り)の連動ルール。
数字と書面があれば、気まずさなく最適解に戻れます。
2回でも迷わず決め切る要点のまとめ
設計士との打ち合わせは標準2回が目安ですが、営業段階で要望を三本柱に絞り、資料をテンプレ順で束ね、ヒアリングを数値で埋めれば密度は確保できます。
初回は配置・平面・構造外皮の骨格合意、二回目は配線・設備・納まり・変更管理の固定とし、議事録と未決表を当日発行して残すのが鉄則です。
表とチェックリストで「誰が・いつまでに・何で決める」を可視化すれば、2回制限でも後悔の少ない家づくりが実現します。
