アイ工務店で中二階を取り入れた間取り実例|スキップフロア収納と書斎がつながる立体空間のつくり方

アイ工務店で中二階(スキップフロア)を取り入れた間取りの考え方を、実例ベースでわかりやすく整理します。

リビング横に“ハーフ収納(高さ約1.2〜1.4m)”を設け、その上に和室や書斎を載せる二層構成や、スキップフロアから小屋裏収納へとつながる五層構造まで、立体的な空間づかいのコツを具体的な寸法感と仕様の選び方で解説します。

写真付きで説明されることが多いテーマですが、ここでは写真がなくてもイメージできるよう、寸法・動線・視線の抜け・収納量の“数字”で理解できるように構成しました。

注文住宅、決める前にこれだけは確認

ローン返済の安全ラインを決めて、太陽光・蓄電池は同条件で比較する。これだけで「この見積もりで正解?」が消えます。最短3ステップをこの記事でまとめました。

アイ工務店で中二階とスキップフロアの基本を最初にそろえる

まずは“中二階=高低差で空間を区切る方法”という前提を共有します。

同じ床面積でも見え方と使い勝手が大きく変わるため、天井高・段差・視線計画・空調の四点を起点に設計すると、失敗が少なくなります。

立体動線の考え方(メリットと注意)

中二階は「間仕切りで閉じないのにゾーニングできる」のが最大の強みです。

一方で段差や空調ムラ、音の回り込みなどの設計課題も同時に発生します。

  • 視線のコントロール:座位(約1.1m)、立位(約1.5m)、中二階(床+600〜900mm)で視線が抜ける方向を設計する。
  • 段差の意味付け:家事導線短縮か、収納アクセス改善か、居場所の追加か、目的を一つに絞る。
  • 空調と温度差:上下で2〜3℃の差が出やすい。吹抜や階段との一体計画が必須。
  • 音の扱い:上下で声や足音が回り込みやすい。吸音材や仕上げ選定で緩和する。

“段差=目的”が曖昧な計画は、ただの上り下り負担になりがちです。

天井高・法規・構造の要点(早見表)

寸法と法規・構造の関係を先に押さえておくと、打ち合わせがスムーズです。

項目目安/基準実務ポイント
中二階の床上げ600〜900mm下部を“ハーフ収納”化しやすいレンジ
収納の有効天井1.2〜1.4m「収納」として快適に出入りできる高さ
書斎/和室の天井2.1〜2.3m圧迫感を抑える最低限のレンジ
階段勾配蹴上180±10mm/踏面210〜240mm中間踊り場で安全性を上げる
構造梁成300〜450mm目安スキップ部は梁勝ち/火打ちの調整が要

法規・構造・断熱の取り合いは着工後の変更が難しいため、計画初期で固めます。

コスト・断熱・音の“効かせ方”

スキップは仕上げの増加と構造の工夫でコストが上がりがちですが、使い勝手と満足度に直結する投資です。

上げるべき所と抑える所のメリハリを付けると、総額のコスパが向上します。

  • コスト:手摺・段鼻・床材の切替で単価が動く。見切り材の設計で美観と手間を両立。
  • 断熱:中二階の床下(ハーフ収納天井)と側壁に断熱連続性を確保。隙間風対策が体感を左右。
  • 音:天井材を12.5mm石膏+吸音クロスにする、踏面裏に制振シートを入れるなど小ワザが効く。

“温熱・音・安全”を先に満たし、その上でデザインを整える順番が正解です。

実例A|リビング横ハーフ収納の上に和室/書斎を載せる

家族の中心であるLDKの一角にハーフ収納(高さ約1.2〜1.4m)を設け、その上を“和畳コーナー”や“こもり書斎”にする構成です。

視線の高さを変えることで、同じ空間内に落ち着きと遊びの両方をつくれます。

間取りの骨子(寸法と配置)

一般的な20畳前後のLDKにフィットする、無理のない寸法感です。

要素目安寸法ポイント
ハーフ収納W2.7〜3.6m×D1.5〜2.0m×H1.2〜1.4m可動棚&奥行は600/900mmで分節
上部和室/書斎3〜4.5畳(天井2.1〜2.3m)畳なら小上がり感、書斎なら可動デスク
アクセス3〜5段の段差段鼻ノンスリップ/手摺必須
開口腰壁900〜1100mm抜けを出しつつ転落防止

腰壁高さは座位でも視線が抜ける高さに調整すると、閉塞感が出ません。

収納計画と家事導線(使い勝手の肝)

“収納を通路化”できるのがハーフ収納の特長です。

  • 掃除機/日用品:手前側600mmの浅棚、奥側900mmの大型棚で住み分け。
  • 季節家電:幅600×奥行500×高さ400mmが入る区画を複数確保。
  • ファミクロ連携:キッチン裏→ハーフ収納→洗面へのショートカットを作る。
  • 換気:収納内にレジスター/ガラリを設け、こもり匂いを回避。

“出し入れ頻度×重さ”で棚の高さを決めると、体に優しく片付けが続きます。

照明・空調・音の整え方

上下で熱と音の回り方が変わるため、設備計画でカバーします。

  • 照明:和室は天井面に浅い間接照明+足元灯。書斎は面光源+スポットで手元を均一に。
  • 空調:LDKの対角線上に吹出口を分散、サーキュレーターは腰壁上に設置。
  • 音:腰壁の内側にグラスウール32K充填、踏面裏に制振シートを貼ってパタパタ音を低減。

「静けさ」と「こもり感」を両立すると、“自分のスペース”として愛着が上がります。

実例B|スキップフロアから小屋裏収納へつながる五層構造

LDK→中二階スタディ→2階個室→小屋裏収納と、縦方向に居場所を重ねる構成です。

回遊動線と収納動線が自然につながるため、家族のライフサイクル変化にも強いプランになります。

層構成と動線(鳥瞰の設計)

層を重ねるほど上下の移動回数が増えるため、“用のある層同士を隣接させる”のがコツです。

用途動線の要
0層LDK/水回り家事導線の短縮
+0.6層スタディ/セカンドリビング視線は抜き、音は抑える
+1.0層寝室/子室静音/遮光/収納の確保
+1.6〜2.0層小屋裏収納季節物の出し入れ動線を短く

スタディはLDKの“音風景”を感じつつ、集中が切れない距離に置くのが正解です。

耐震・荷重・安全の設計勘所

スキップ部は梁成の増しと火打ちで剛性を確保します。構造と意匠を両立させる小技を覚えておきましょう。

  • 梁せい確保:スキップ直下は梁成UP、意匠は天井意匠で“梁見せ”も選択肢。
  • 火打ち金物:収納内や天井内で見えない位置に逃がす納まりを検討。
  • 安全:段鼻の視認性(色/素材)と手摺連続性、腰壁高さの統一で事故を防ぐ。
  • 床荷重:書庫や機材置きは局部荷重に備えて根太ピッチ/合板厚を調整。

“見えない強さ”を先に満たせば、後のデザインは自由になります。

子育て/在宅ワークの運用例

家族の成長で使い方が変わるのが五層の強みです。

  • 幼児期:スタディは家事視線の届く遊び場。腰壁で安全確保。
  • 学童期:個別学習はスタディ、共有作業はLDK。使い分けが自然発生。
  • 在宅期:スタディをワーク、上部を資料収納にし、通話は小屋裏手前の“バッファ”で。

層ごとに用途を入れ替えられる可変性が、長期満足度を高めます。

失敗しない“寸法ルール”と設備のリアル

細部の数値が、暮らしの“楽”を決めます。迷いやすい寸法を早見表で押さえましょう。

基本寸法の早見表

ここを外さないだけで満足度が底上げされます。

部位目安理由
腰壁高さ900〜1100mm座位で視線が抜け、立位で転落抑止
通路幅900mm(最小750mm)すれ違い/家具搬入の最低ライン
カウンター高さ書斎720〜740mm椅子座の肘/目線に合う
階段手摺H=800〜850mm大人/子ども双方で握りやすい

“目安”は家族の体格に合わせて±20〜30mm調整するとフィット感が増します。

階段と安全・バリアフリー

段差はデザイン要素である前に、日常の安全課題です。先回りで手を打ちましょう。

  • 段鼻は視認性の高い素材に。夜間センサーの足元灯を必ず設置。
  • 手摺は連続させ、上下端は円弧や壁への回し込みで衣服の引っ掛かりを防止。
  • ベビーカー/掃除ロボの経路は段差レスでバイパスを設計。

「楽に降りられる」階段は、生活の集中力を下支えします。

コンセント/照明の現実解

上下レベルで光と電源が分断されやすいのがスキップの弱点です。最初から多めに計画します。

  • 中二階ブロックに床コン1口+壁2口。掃除/PC/スタンド用で使い分け。
  • 足元灯は段差入口と出口の両方。照度は5〜10lxのやわらかい明かり。
  • 書斎は面光源+局所スポット+間接の三層。眩しさ回避で集中力UP。

“暗い/届かない”は後からの手当てが高くつきます。最初から余裕を。

打ち合わせの進め方とチェックリスト

立体構成は決める項目が多いため、準備の質が当日の意思決定速度を決めます。

設計・構造・インテリア・設備を横断して議論できる資料束を事前に用意しましょう。

事前準備チェックリスト(持参物と決めごと)

これだけを揃えれば、当日の“迷い”が激減します。

  • 最新図面(平面・立面・断面・電気配線)と更新履歴一覧。
  • 中二階ブロックの用途メモ(和室/書斎/セカンドリビング)。
  • 収納の中身リスト(季節家電/書籍/衣類/趣味用品)と概算寸法。
  • 椅子・デスクの目線/肘高メモ、好きな照明写真(色温度の希望)。
  • サンプル3点法(床・建具・壁)と相性確認の写真。
  • 掃除ロボ/ベビーカー/楽器など“段差対応が必要な物”のサイズ。

事前に「やらないことリスト」も作ると、当日の取捨選択が速くなります。

見積の読み方(どこが増減するか)

スキップは“どの科目に乗るか”で印象が変わります。科目別に増減ポイントを把握しましょう。

科目増減ポイント節約のコツ
本体工事床上げ・段差・手摺・腰壁手摺の連続化で支点を減らす
造作カウンター・棚・窓台既製+下地先行で段階導入
内装畳/床材の切替・見切材床材は階でグレード分け
電気足元灯・間接照明・コンセント器具は最小構成+可搬で補完
空調吹出口追加・サーキュレーター配管経路を初期に最短化

“見積上の見せ方”に惑わされず、最終行の総額で判断しましょう。

現場確認の勘所(上棟〜仕上げ)

立体構成は現場での“微調整力”が命です。タイミングごとのチェック点を押さえます。

  • 上棟直後:梁成と火打ち位置、手摺芯の通り、腰壁高さの実寸確認。
  • 断熱・気密:中二階床下と側壁の連続性、気流止めの有無を写真で残す。
  • ボード前:足元灯/コンセント高さ、間接照明の下地、段鼻の素材指定。
  • 仕上げ:踏面の目地/段鼻、手摺端部の納まり、見切材の色合わせ。

“写真+寸法メモ”で工程ごとに証跡を残すと、完成後の満足度が安定します。

まとめ|中二階で“居場所と収納”を同時に増やす設計術

アイ工務店で中二階を取り入れるなら、①段差の目的(居場所/収納/視線)を一本化、②天井高と法規・構造・断熱の取り合いを初期確定、③照明・空調・音を“上下セット”で設計、の三点が成功の土台です。

実例Aの「ハーフ収納+上部和室/書斎」はLDKの使い勝手を底上げし、実例Bの「スキップ→小屋裏の五層構造」は成長に合わせて用途を入れ替えられる可変性が魅力です。

写真がなくても寸法・動線・設備の設計勘所を押さえれば、完成形を具体的にイメージできます。打ち合わせでは、本稿の表とチェックリストをそのまま持ち込み、数値で会話するのがおすすめです。

“段差に理由がある家”は、暮らしに奥行きを生みます。中二階で、平面だけでは届かない価値を手に入れましょう。