アイ工務店の標準仕様外壁はどこのサイディングか解説|ニチハFugeと光セラ18で30年ノーメンテを狙う家

外壁で「30年ノーメンテに近づけたい」。

その狙いに対して、アイ工務店の標準仕様外壁は現実的な選択肢を用意しています。

代表格はニチハのFuge(フュージェ)プレミアムと、ケイミューのネオロック光セラ18です。

どちらも高耐候コーティングと、目地シーリングの負担を抑える設計や専用納まりを採用しており、長期サイクルのメンテ計画を立てやすいのが強みです。

本稿では二大系統の違いと選び方、環境別の注意点、試算ベースのコスト感、施工時のチェックポイントまで、迷わず決め切るための実務視点で解説します。

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アイ工務店の標準仕様外壁はどこのサイディングかを仕組みから理解する

最初に「標準で選べる箱」を整理します。

アイ工務店ではエリアや時期により選定リストが微調整されますが、概ねニチハFugeプレミアム系とケイミューのネオロック光セラ18系が中核です。

両者は高耐候塗膜やセルフクリーニング層、そしてシーリング露出を減らす役物や目地納まりが特徴で、長寿命化の方向性はよく似ています。

一方で、意匠の出方や厚み、コーティングの性格、日射汚れへの強さなど、使い勝手には違いがあります。

二大メーカーの要点比較

まずは特徴を俯瞰できる早見表で、性格の違いを把握しましょう。

項目ニチハ Fuge プレミアムケイミュー ネオロック 光セラ18
基本思想四辺合じゃくりや専用役物で目地を目立ちにくくし、意匠連続性を確保光触媒系の親水・分解で汚れ付着を抑え、退色と黒ずみを抑制
厚みの主流16mm中心(意匠により18mm相当も選定あり)18mm(重厚感と目地の落ち影抑制)
耐候コート高耐候クリア・プレミアム塗膜(艶度やマット設定あり)光セラ(光触媒+無機系コート)
メンテ発想目地の長寿命化+高耐候クリアで再塗装サイクルを延長「汚れにくさ」と「退色抑制」で再塗装時期を長周期化
意匠の得意域深彫り石目やタイル風の陰影表現フラット〜石目で均質感、色ブレの少なさ

どちらを選んでも「長寿命化の方向」は合っています。

差は主に意匠表現と汚れへのアプローチに出ます。

標準仕様で押さえておくべき線引き

標準とオプションの境界を最初に紙で固定しておくと、後半の差額が膨らみにくくなります。

  • 標準に含まれる厚みと品番帯。
  • 目地仕様と専用役物の範囲(コーナー・開口部)。
  • 外装通気構法の前提と防火仕様の等級。
  • 足場・板金・付帯塗装の取り扱い(雨樋・換気フード)。

「含む/含まない」を行番号付きで仕様書に落としておきましょう。

30年ノーメンテを目指すときの現実的な考え方

「完全に手を掛けない」と解釈すると現実的ではありません。

狙いは、汚れと退色の抑制、そしてシーリングの劣化起因のトラブルを遅らせ、再塗装周期を長く取ることです。

点検・洗浄・小修繕を適期に回す前提で「大規模塗り替えまでの年数」を伸ばすのが実務的な目標です。

そのために、材そのものの耐候・親水性に加え、目地・役物・板金・庇の設計まで含めて総合で最適化します。

パネル厚みと目地納まりの基礎知識

厚みが増すと重厚感と耐久の期待値は上がりますが、重量・金物・費用も上がります。

また、四辺合じゃくりやシーリング露出の少ない納まりは、意匠連続性とメンテ性の両方で利があります。

厚みだけでなく目地の見え方が、日々の満足度を左右します。

コストと意匠の初期判断フロー

はじめに「色相(明度)」「凹凸(陰影)」「艶度」の三軸で家族の好みを固定し、次に厚みと目地仕様で実現手段を選びます。

艶消し寄り×中明度×浅い凹凸は、汚れ・退色・陰影のバランスが取りやすい傾向です。

濃色は引き締まる一方で熱と退色の影響を受けやすいため、庇・外付けスクリーン・雨だれ対策をセットにして検討しましょう。

ニチハFugeと光セラ18をどう選ぶかを実例思考で整理する

ここからは「どんな敷地・暮らしに何が合うか」を、用途別に噛み砕きます。

迷ったときは、風雨の当たり方と周辺環境の粉じん・排ガス・花粉の度合いから当てはめると収束が早いです。

メンテ費用のレンジと合わせて、外構や庇の設計で差を埋める視点も持ちましょう。

環境別のおすすめ傾向

立地条件による汚れ方の違いを前提に、向き不向きをざっくり整理します。

  • 幹線道路沿いや工場・農地近接。親水・分解で汚れを落としやすい光触媒系(光セラ18)が効きやすい。
  • 海沿い・強風地。目地露出が少なく役物収まりがきれいなFuge系は、砂塵の入り込み・劣化の視認を抑えやすい。
  • 都市の狭小地・縦長。縦横の目地線が目立たない意匠を選ぶと、近接視でも破綻しない。
  • 雪国・寒冷地。凍結融解や雪庇の影響を見越し、庇・雪止め・水切り板金とセットで壁を守る計画が重要。

「外壁単体」で考えず、外部納まりと一体で最適化するのがコツです。

意匠と性能のマトリクス比較

選定時の迷いを減らすため、意匠・汚れ・熱の三観点でマトリクス化しておきます。

観点明るい色×浅い凹凸中間色×中凹凸濃色×深い凹凸
汚れ目立ち小さい(雨だれは要配慮)中程度(親水で緩和)大きい(庇・水切り必須)
退色体感小さい中程度目立ちやすい
熱影響小さい中程度大きい(夏季の表面温度上昇)

濃色×深凹凸を選ぶなら、光セラのセルフクリーニングや、庇と外付けスクリーンの併用で守りを固めましょう。

庇・水切り・雨樋の連携設計

実は「雨だれ」を抑えることが、長期の美観維持に最も効きます。

庇の出寸法、笠木・バルコニーの水切り、樋の集水位置を先に設計しておくと、外壁への汚れの走り筋を大幅に減らせます。

見切りと役物の色合わせまで先決めできると、仕上がりの完成度が一段上がります。

シーリング負担を減らす設計的アプローチ

「目地レス」は誤解を生みます。

現実は“露出シーリングを減らす”“重要部の寿命を延ばす”が狙いです。

出隅・開口部・バルコニー回りは露出シールが残りやすいので、できる限り専用役物や笠木で守る設計を採用しましょう。

初期費用と長期費用の試算感覚

標準からの差額は意匠帯や厚みで上下しますが、長期費を見据えると“洗浄頻度の低下”と“再塗装時期の後ろ倒し”が効いてきます。

初期に庇・板金・外付けスクリーンへ適度に投資するほうが、十数年後の外壁費を平準化しやすい傾向です。

10〜30年の維持管理を設計段階で描く

「ノーメンテに近づける」ための現実的な運用を、最初から図面に織り込みます。

点検性と掃除のしやすさ、周辺納まりの防汚、保証と記録の残し方。

この三点を押さえるだけで、寿命の“ばらつき”を小さくできます。

運用・点検の基本ルーチン

外壁の長寿命は、年一の「見る・洗う・記録する」で作れます。

  • 見る。庇下・サッシ下・出隅の雨筋を点検し、走り始めを把握する。
  • 洗う。柔らかいブラシ+低圧水で春秋に軽洗浄し、藻・花粉の定着を防ぐ。
  • 記録する。写真と日付、天候、対応内容を残し、劣化の傾向を可視化する。

“軽い手入れを早めに”が、重い補修を遠ざけます。

長期費用の目安レンジ表

地域や環境で大きくぶれますが、判断の出発点としてレンジ感を共有します。

項目頻度の目安費用レンジ(概算)ポイント
年次点検・軽洗浄年1〜2回数千〜数万円/回DIYまたは外注の差
部分シール補修10〜15年数万円〜露出部の長寿命化が鍵
全面再塗装15〜25年以降100万〜200万円台面積・足場・塗料で変動

「洗浄+小補修」の積極運用が、再塗装の後ろ倒しに寄与します。

周辺納まりで汚れを止める小技

外壁材だけでなく、周辺の“汚れ導線”を切ると効果的です。

庇・水切り・笠木の役物、サッシの滴受け、室外機の吹き出し向きなど、細部の工夫が効きます。

また、犬走りや跳ね返り水の処理(砕石・暗渠など)で、腰元の泥はねを抑えましょう。

保証と記録の残し方

保証条件は「清掃・点検・補修の実施」を前提とするものが一般的です。

議事録と写真をまとめた外装カルテをクラウドに保管し、日付入りの洗浄記録を残す運用にすると、将来の説明性と下取り時の安心感が高まります。

施工品質で押さえるチェックリスト

性能は現場の納まりで決まります。

  • 通気層の連続性と換気口の開口確保。
  • 出隅・開口部の役物適用と下地の通り。
  • シーリングの厚み・幅・三面接着の回避。
  • 水切り板金の勾配・ジョイント処理・塗装の重ね。

引渡し前に写真で確認し、是正の有無を記録しましょう。

迷わず選ぶための結論と優先順位

ニチハFugeプレミアムとケイミュー光セラ18は、どちらも「長期サイクルを狙える」優秀な標準候補です。

幹線沿い・粉じんが多い環境なら光触媒系の光セラ18、意匠の連続性と目地の目立ちにくさを重視するならFuge系が有力です。

そして外壁単体の比較だけでなく、庇・水切り・外付け遮蔽・雨樋位置の設計を同時に最適化し、年次の軽洗浄と部分補修で“重い工事”を引き延ばすのが、実務的な「30年ノーメンテに近づく」道筋です。

最後にもう一度。

色相・凹凸・艶度を先に決め、厚みと目地納まりで詰める。

この順番を守れば、標準仕様の外壁でも長く美観を保てる家づくりが再現できます。