アイ工務店でハイドア(天井までの背の高い室内ドア)を採用すると、空間が一段とすっきり見え内装のグレード感が上がります。
一方で標準ドアとの差額や、引き戸と開き戸の追加費用の違い、天井高との取り合いなど、見積前に押さえるべき勘所が多いのも事実です。
この記事では価格相場からメーカー事情、メリデメ、採用優先度、交渉術までを体系的に整理し、ムダなく賢いハイドア導入を後押しします。
アイ工務店のハイドア採用にかかる値段相場
最初に気になるのは「いくら掛かるのか」という実務的な部分です。
差額は地域や支店、選ぶメーカーや仕様で変動しますが、標準ドアからのアップ分を把握し全体枚数に掛け算するだけで、おおよその追加総額が早期に見えてきます。
1枚あたりの差額の目安
標準ドア(一般的な高さ2,000~2,070mm想定)からハイドア(天井納まり相当)に変更する際の差額は、開き戸で1枚あたり約30,000~70,000円、引き戸で約40,000~90,000円が目安です。
同じハイドアでも化粧面材のグレード、ソフトクローズやハンドルの意匠、枠の納まり(見付の細いデザイン枠など)によっても変動します。
家全体で10~18枚程度採用するケースが多いため、早い段階で「採用場所の優先順位」を決めて、予算のブレを抑えましょう。
- 開き戸:+3~7万円/枚(意匠・金物で上下)。
- 引き戸:+4~9万円/枚(上吊り・ソフトクローズで上振れ)。
- 収納用建具:+2~5万円/枚(軽量仕様なら控えめ)。
- 化粧グレード変更:+1~3万円/枚(木目・鏡面で差)。
全室をハイドア化した場合の総額シミュレーション
戸数と種類の構成が分かると、概算は次のように弾けます。
下表は延床30~35坪級の一般的な2階建てで、開き戸8枚・引き戸6枚・収納扉4枚の想定例です。
支店や時期の仕入れ条件で上下するため、最終的には見積書の型番と数量で必ず突合しましょう。
| 建具種別 | 枚数 | 差額/枚(目安) | 小計 |
|---|---|---|---|
| 開き戸 | 8 | 3~7万円 | 24~56万円 |
| 引き戸 | 6 | 4~9万円 | 24~54万円 |
| 収納扉 | 4 | 2~5万円 | 8~20万円 |
| 概算合計 | — | — | 56~130万円 |
引き戸と開き戸で違う追加オプション
同じハイドアでも、引き戸は上吊り金物やソフトクローズ、化粧枠の取り合いで費用が上振れしやすい傾向があります。
開き戸は丁番の耐荷重や隙間シール、戸当たり金物の質で静粛性が変わり、長期の合口調整のしやすさも選定基準になります。
引き戸を多用する間取りでは、開口幅・袖壁・スイッチ位置の取り合いを先に確定して、余計な作り直しを避けるのが鉄則です。
- 引き戸:上吊りレール・ソフトクローズ・化粧枠で差額増。
- 開き戸:重量対応丁番・気密シール・戸当たりで快適性UP。
- 共通:ハンドル意匠・鍵仕様・面材変更で微増。
- 搬入経路:大型建具は階段回しやクレーンの検討が必要。
アイ工務店の標準仕様と選べるメーカー・ブランド
支店や時期のパッケージにより標準採用できるメーカーや扉デザインの範囲が変わります。
Panasonicや永大産業などの量産系建具はコスパに優れ、フルハイト系の専門メーカーは意匠性と納まりの美しさに強みがあります。
Panasonic・永大のハイドア対応
Panasonic(ベリティス)はデザイン・面材・把手バリエーションが豊富で、天井高2.4m級に合わせたハイドア対応がしやすいのが特徴です。
永大産業は木目意匠の再現性と価格バランスに定評があり、ハイドア化でも比較的差額が抑えやすい傾向があります。
いずれも量産安定と部材供給の安心感があり、コストと意匠の両立を図りたいときの第一候補になります。
| 項目 | Panasonic(ベリティス) | 永大産業 |
|---|---|---|
| 意匠幅 | 広い(把手含む) | 木目の表現力が高い |
| 差額の傾向 | 中~やや高 | 中~控えめ |
| 納まり | 天井納まり対応しやすい | 標準枠でも整えやすい |
神谷コーポレーションの注意点
「フルハイトドア」は見切りが少なく、壁と一体化するミニマルな納まりが魅力です。
ただし造作枠・下地精度・壁仕上げの取り合い要求が高く、現場手間とリードタイムを要する点は予算・工程面の留意事項になります。
後から追加や差し替えが難しいため、採用する部屋と枚数を厳選し、露出の大きい来客動線に集中させると費用対効果が高まります。
- 納まり精度・搬入手配・工期の余裕を確保。
- 生活動線の正面に限定採用で効果最大化。
- 巾木・見切りの取り合いを詳細図で確定。
- 将来の蝶番調整やパーツ供給も事前確認。
天井高とドア寸法の関係
アイ工務店の天井高は2.4m~2.7mのレンジが選べ、ハイドアの見え方は「天井とのクリアランスの取り方」で大きく変わります。
2.4m天井なら建具高さ2.3m級で十分一体感が出やすく、2.6~2.7m天井では意匠バランスと重量・コストの兼ね合いを精査する必要があります。
上枠見付を抑えた納まりや、天井面と通した見切り計画で、垂直ラインを強調すると仕上がりが上質になります。
| 天井高 | 建具高さの目安 | 意匠ポイント |
|---|---|---|
| 2.4m | 2.25~2.30m | 上枠細見せで一体感 |
| 2.6m | 2.35~2.45m | 重量と丁番耐力の検討 |
| 2.7m | 2.45m前後~個別対応 | 躯体・梁との干渉確認 |
失敗しないために知っておきたいハイドア導入のメリット・デメリット
ハイドアは視覚効果と意匠面のリターンが大きい反面、音・光・重量・取り合いなど実務的な注意点があります。
採用前に効果とリスクを同じテーブルで比較し、対策とセットで意思決定することが重要です。
開放感の視覚効果
垂直ラインが天井まで伸びることで目線が上がり、同じ畳数でも体感的な広さが増します。
廊下正面やLDK入口など、視線の抜けに効く場所へ集中投下すると、採用枚数を増やさず最大の効果を得られます。
巾木や枠の見付を細くし、壁や床とのトーンを合わせると、面の連続性が強調されより洗練された仕上がりになります。
音漏れ・光漏れへの対策
ハイドアは上部見切りが少なく、開口部としての面積が増えるため、音と光が漏れやすく感じるケースがあります。
就寝室や書斎は気密シールや戸当たりの強化、敷居側のブラシモヘア採用などで対策しましょう。
光は建具内側のカーテンボックスや足元の光漏れ対策(スリット遮光)でコントロールできます。
- 戸当たり・気密シールで隙間を最小化。
- 敷居側ブラシモヘアで足元遮音・遮光。
- 就寝室は上枠意匠と遮光の両立を設計。
- 音が気になる部屋は開き戸優先で選定。
反り・重量とメンテナンス
大型建具は自重が増し、湿度変動や使用頻度によって反り・合口ズレが生じやすくなります。
重量対応の丁番や上吊り金物を選び、定期的な調整がしやすい金物を優先すると長期の安定性が高まります。
床仕上げの伸縮やドア下端のクリアランスも、引きずり音とキズ防止の観点で設計時に詰めておきましょう。
| 課題 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 反り | 湿度・面材構成 | 反り軽減コア・定期調整 |
| 下擦り | 床伸縮・沈み | 下端クリアランス設定 |
| 開閉音 | 重量・金物 | ソフトクローズ・戸当たり |
梁出しとの干渉
2階建て以上で吹き抜けや高天井を組み合わせると、梁の見せ方とハイドアの上枠ラインが干渉しやすくなります。
意匠梁はドア上端より上に逃がすか、上枠の納まりを変えてラインを整え、干渉時は天井ふところを微調整しましょう。
構造梁は位置変更が難しいため、計画初期に衝突検討を行うのがベストです。
コストを抑えておしゃれに見せる採用場所の優先順位
全室をハイドアにせずとも、見える面・通る場面に的を絞るだけで体感は大きく変わります。
「誰が・いつ・どこから見るか」を基準に優先順位をつけ、費用対効果を最大化しましょう。
まずはリビング入口
来客と家族が必ず通るLDK入口は、高さ効果が最もわかりやすく表れる場所です。
廊下正面からの視線抜けが良くなり、入った瞬間の印象が格段に上がるため、1枚目の投資として最適です。
引き戸の場合は袖壁とスイッチ位置を先に決め、開口幅を最大化して回遊性を確保しましょう。
和室・洋室を一体化する引き戸術
リビング横の多目的室は、天井までの引き違いを採用すると開放時の一体感が段違いです。
上吊り+ソフトクローズで開閉音を抑え、レールレスの床納まりにすると掃除性とバリアフリー性が向上します。
戸袋や鴨居の見え方を最小化し、壁と同テクスチャで仕上げると、閉めたときも面が美しく整います。
- 上吊り+レールレスで段差ゼロ。
- 袖壁・戸袋寸法を早期確定。
- 同テクスチャで面の連続性を確保。
- ソフトクローズで生活音を低減。
廊下から見える面だけ統一
廊下正面に見える数枚のドアをハイドア+同色面材で統一すると、コストを抑えながらホテルライクな印象を作れます。
見えない個室や収納は標準ドアで十分なケースも多く、費用配分の最適解になりやすい手法です。
照明の配光と併せて、建具面にムラのない陰影を作ると完成度がさらに上がります。
収納扉をハイドアにする価値
連続面を整えたい廊下収納はハイドア化の効果が大きい一方で、コスト当たりの体感向上は部屋の出入口ほどではありません。
通路側の見え方を優先して採用し、個室内収納は標準でメリハリをつけるのが現実解です。
軽量仕様の建具を選び、金物調整がしやすいモデルにしておくと、日々の開閉が軽快になります。
| 場所 | 優先度 | 理由 |
|---|---|---|
| LDK入口 | 最優先 | 来客・家族の視線が集中 |
| 廊下面 | 高 | 少枚数で統一感を演出 |
| 多目的室 | 中 | 可変の一体化に効果 |
| 個室収納 | 低~中 | コスパは用途次第 |
アイ工務店でハイドアを安く導入するコツと交渉術
同じ仕様でも「いつ・どう頼むか」で見積は変わります。
契約前に交渉の土台を作り、時期特典や設備ポイントを活用し、最後は図面の取り合いを潰すことで追加費用の発生源を断ちましょう。
契約前の交渉ポイント
本体契約の直前は交渉余地が最も大きいタイミングです。
「ハイドア採用○枚を前提としたパッケージ値引き」や「把手・金物の差額込みの上限設定」をセットで提示し、後からのバラ差額を圧縮します。
メーカー縛りを緩めた代わりに総額を抑える、などのトレードも有効です。
- 枚数前提の一括値引きを事前合意。
- 金物・把手の差額込み上限を設定。
- メーカー選択の自由度と価格の交換条件を提案。
- 工程・納期の確定で仕入コスト低減に協力。
キャンペーンと設備ポイントの活用
期間限定の設備キャンペーンやポイントは、建具のグレードアップに充当できる場合があります。
電気・水回りの優先度と建具の意匠アップを天秤にかけ、総合満足が最大となる配分に調整しましょう。
適用条件(発注期限・対象機種・併用可否)は担当に書面で確認し、期日管理を徹底すると取りこぼしを防げます。
最終見積前の図面チェックリスト
差額の大半は「取り合い未確定」から生じます。
ドアの開き勝手、スイッチ位置、袖壁寸法、巾木高さ、梁・天井との干渉を文字と寸法で固め、後出しの手直し費用をゼロに近づけましょう。
下表を印刷して赤入れすると、抜け漏れが激減します。
| 項目 | 確認内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 開き勝手/引き方向 | 家具と干渉なし | 通路幅750mm確保 |
| スイッチ位置 | 袖壁内で確定 | 引き戸戸袋と干渉回避 |
| 上枠納まり | 天井面とライン合わせ | 見切り・巾木の連続性 |
| 梁・天井 | 干渉有無を断面図で | 早期に構造と協議 |
| 金物仕様 | 丁番/ソフトクローズ | 重量・メンテ性で選定 |
